ワクチン療法の具体的な手順について

「自家がんワクチン療法」は、患者様御自身の体の中で がん細胞のみを攻撃するキラーT細胞を誘導し、活性化して、がんを攻撃するという治療法です。 ところが一般に放射線や、抗がん剤は、がん細胞の分裂増殖を抑えることができますが、このキラーT細胞の力を弱めてしまうことがあるため、、こうした治療と併用する際には、ワクチンの投与のタイミングが重要になります。この点に関して事前に元の主治医にもよくご相談ください。

申し込み及び療法の実施

この療法についてのお申し込みをされる患者様について、
 患者様のがん組織(ホルマリン漬け組織か、パラフィン包埋ブロック。がん組織が約2グラム以上あるもの)が必要です。
また、必須ではありませんが、それまでの経過を把握させて頂くために、手術前後の諸検査(病理診断、レントゲン検査、血液検査等)および最近の検査のコピーを持参していただきます。 また当クリニックにて患者様の現在の状態を把握するために、ワクチン療法実施に関わる諸検査(一般血液検査、血液免疫検査、場合によりレントゲン検査、心電図検査)を実施します。こうした諸検査の結果、当クリニックにて本ワクチン療法が実施できると判断した場合にワクチン投与可能な患者様として登録いたします。



接種方法、副作用について。

ワクチンは通常、肩に近い場所(上腕)の外側の皮内(皮膚表面に近い部分)に、1回につき5から6箇所に分けて接種します。接種した部分は軽度の腫れが数日から1週から2週間持続しますが、これは、癌の目印を体の免疫細胞に覚えさせる際の正常な反応で、ここでの反応に続いて癌を攻撃するキラーT細胞が誘導されるわけです。この操作を原則2週間間隔で3回を1クールとして実施します。副作用に関しては、前述の腫れによる軽度の痛みや痒み、微熱、ワクチン接種痕倦怠感などで、特別な処置は必要ありません。また、2000人以上の患者様に投与されましたが、血圧低下や、ショックなどの重篤は副作用は全くありませんでした。


 通常、手術後の再発予防のために実施する本療法は、前記の1コース(3回接種)が妥当と考えられますが、再発のある状況の患者様は、続けて2、3コースを継続することにより予後が改善される可能性があります。このような患者様で、提供された腫瘍組織が多い場合は、初めから2コースないし3コース分のワクチン作製をお勧めします。1コース目のワクチンを作製する際に同時に2,3コース目(各3回)のワクチンを作製した場合のみ、2,3コースのワクチン接種費用は、各コースとも、1コース目の1/4程度の費用で実施できます。




詳細はセルメディシン株式会社のホームページをご覧ください。

(2018年10月追記)

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